2009年10月31日土曜日

IPA Forum 2009 日本OSS貢献者賞授賞式

昨日、IPA Forumで日本OSS奨励賞を受賞してきました。


 

生まれてこのかた表彰されたことなんて一度もなかったので、自分がこういう場にいること自体に違和感があります。早速Alexei (ZABBIX開発者&CEO)に連絡したところ、とても喜んでくれました。

貢献者賞を受賞された方々のプレゼンテーションも面白かったですよ(私は奨励賞なのでプレゼンはありませんでした)。受賞した方々も言われていましたが、この賞は自分一人だけの力ではなくて、周囲にいるチームや友人、家族の助けがあって受賞できたものだと思います。

式の前は私一人が受賞していいものだろうか...とも考えていたのですが、今は、私がみなさんを代表して受賞しただけであって、この賞はチーム全員でもらったものだと思っています。

これからもZABBIX-JPの活動をより広げていくことで、ZABBIXの普及やシステム運用管理の改善に貢献していきたいと思います。

追記:

Flickrでも写真が公開されています。

2009年10月27日火曜日

IPA 日本OSS奨励賞を受賞しました

IPAが毎年開催しているIPA Forum2009で、日本OSS奨励賞を受賞させていただくことになりました。

ZABBIX-JPの活動が認められて今回の受賞になったわけですが、まさか賞をいただけるとは思っていなかったので驚きです。日頃からご協力頂いている方々には改めて御礼申しあげます。

以下、IPAのプレスリリースを引用しておきます。

運用監視ソフトウェアZABBIXの日本コミュニティであるZABBIX-JPの代表を努めている。ZABBIX-JPの黎明期であった 2005年8月にZABBIX-JPを開催し、日本語ドキュメントの公開や掲示板の運用を行っている。近年、OSSのエンタープライズシステムへの普及に 伴って、運用監視についても急速に注目が集まるなか、そのZABBIX-JPの活動を通じてOSSの運用監視ソフトウェアの普及に多大な貢献をしている。

授賞式は10/29(木) 15:30〜16:00に明治記念館で行われます。

2009年10月24日土曜日

ZABBIX 1.7 & 1.7.1(alpha)がリリースされてます

気づいたらZABBIX 1.8のアルファ版である1.7と1.7.1がリリースされてました。いまZABBIX-JPコミュニティでリリースノートを翻訳中です。

開発スケジュール上はいまだにUTF-8対応の進捗度が0%なんですよね。アルファリリース直前の10/9のb8052までは試しているんですが、そのバージョンではまだマルチバイト対応が不十分でした。1.8の正式リリースまでに時間が取れたらパッチ作って報告しなきゃ...。

ちなみに、1.8は10/30リリース予定です。

2009年10月22日木曜日

Linux Symposiumのレセプションに出席してきました

昨日はLinux Symposiumのレセプションに出席してきました。

六本木ヒルズの52FにあるMADO ROUNGEというところで開催されました。Linus TovalsやAndrew MortonなどLinuxカーネルの有名なエンジニアをはじめ、日本のOSSに関わる方々も多く出席されてました。日本人と外国人の割合が半々くらいでしたかね。

Linusと話す機会があったのでZABBIXを知ってますか?ときいてみたところ、知らなかったようです。私はカーネルのことしか知らないですから〜と笑われてました。ほんとにカーネルにしか興味がないんだろうなぁという感じでした。

今日は私がLinux SymposiumでZABBIXのセッションをやる予定だったのですが、仕事の都合でZABBIX-JPスタッフ&ミラクルのZABBIXエンジニアに発表を変わってもらうことになりました。いままさに開発中のZABBIX 1.8についても話す予定です。これから私も聞きに行ってきます。

MADO ROUNGE、初めて行ったんですが景色もきれいで良かったです。普段は高くていけないんでしょうね〜。

2009年10月20日火曜日

HP ML115のキャンペーンやってますね

半年ほど前から待っていたのですが、気づいたらHP ML115のキャンペーンが始まってました。

ML115サーバが16,800円。NTT-X Storeなら2000円引きの14,800円で購入できます。ZABBIXの検証用に迷わずポチっとなとやってしまいました。 ついでにIPMIの検証もしたいのでLights-Out 100c リモートマネジメントカードもあわせて購入。マネジメントカードの方が本体より10,000円近く高いというのも変な話ですが。

私も会社の同僚から聞いて知ったのですが、このキャンペーン、年末から年始にかけて毎年やっていることで有名なんだとか。価格がありえないくらい安いこともありますが、ハードウェア構成的にもグラフィックカードが刺さったりとデスクトップにも転用できるので大人気だそうです。詳細はまとめWikiによくまとまっています。


HP ProLiant ML115 Generation 5 4577670-AJKV
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HP(旧コンパック) Lights-Out 100c リモート マネジメント カード 445513-B21
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2009年10月18日日曜日

ZABBIX 1.6の新機能

ZABBIX-JPでも1.6リリース時にリリースノートを翻訳しましたが、リリースノートだけでは分かりにくので、改めて1.6の主な新機能をご紹介しておきます。

IPv6対応

ZABBIXの設定や監視対象の設定にIPv6を利用することができます。ZABBIXの全モジュールでIPv6に対応しました...とリリースノートには書いてあるのですが、次の1.8のリリースノートにSNMPのIPv6対応と書かれているので、まだ一部対応していないところがあると見て良さそうです。本格的な利用の再には要検証ですね。

IPMI対応

IPMIはサーバのハードウェア管理をするための規格やプロトコルのことです。最近であればサーバ用のハードウェアにはだいたいIPMI専用のポートがついてます。HPを例にあげると、サーバの裏側についているiLOポートのことです。

IPMIを使うと、CPU/マザーボードの温度やファンの回転数、電源モジュールの状態などのハードウェア情報が監視できたり、IPMIコマンドを実行することでリモートからOSを介さずに電源のON/OFFやリブートを行うことができます。ZABBIXがネイティブにIPMIによる監視とコマンド実行に対応したことで、ハードウェアの監視やハードウェアレベルでの再起動なども容易に行うことができます。

データベース監視機能の追加

リリースノートには書かれていないんですが、けっこう目玉だと思う機能です。ZABBIXサーバからODBCを介してデータベースにSQLクエリを発行し、結果を監視することができます。ODBCを使うので、MySQLやPostgreSQL、SQL Serverなどデータベースの種類を問わず監視することができます。

エスカレーションと繰り返し通知機能の追加

Webインターフェースの設定からみると大きく2つの機能追加になります。
1つはトリガー設定画面で障害発生中は継続してアクションを送信するオプションを選択できるようになったこと。これを有効にしておくことで、アイテム取得のタイミングで障害であればイベントを発生させることができます。

もうひとつはアクションの設定画面でエスカレーションの機能を利用できるようになったこと。エスカレーションを有効にすると、1〜6回目までの通知はAさんに、以降はBさんにメール通知、とか、1〜3回目まではメール通知、以降はサービスを自動で再起動する、など、アクションの実行回数に応じて実行するオペレーションを変化させることができます。

Webインターフェースからコマンドを実行

Webインターフェースからコマンドを実行させることができるスクリプト機能が追加されています。デフォルトではPingやTracerouteコマンドが設定されていますが、IPMIコマンドを登録したり、zabbix_getを使えばZABBIXエージェントにコマンドを実行させることも可能です。

コマンドの実行は下記のようにマップ上やトリガー画面から行うことができます。



パフォーマンスの改善

zabbix_server.confでStartDBSyncerを有効にすることで、ZABBIXサーバがデータベースへ書き込みを行う際のバッファを有効にすることができます(デフォルトで有効)。

ZABBIXエージェントもZABBIXサーバにデータ送付時にバッファを使うようになっているので、全体的にパフォーマンスと信頼性が向上しています。

また、1.6からはZABBIXサーバとZABBIXエージェント間の通信がXMLベースからJSONベースに変わっています。そのため1監視単位のデータ通信量が削減されています。

ZABBIXプロキシ

分散監視を行うためのZABBIXプロキシが追加されました。ZABBIXプロキシはZABBIXサーバに変わって監視を行うためのサービスで、Webサーバのリバースプロキシをイメージすると分かりやすいと思います。

分散監視の機能としては1.4でもノード機能がありましたが、ノードは監視設定も互いに同期するので、同期処理が収束するまでの間に設定を行うと監視設定が意図したものとは違うものになったり、ZABBIXサーバの負荷が高くなったりと運用しづらいものでしたが、ZABBIXプロキシはZABBIXサーバで設定と監視データを一元管理、監視はプロキシから、という構成になっているのでノードと比較してシンプルで軽量です。ただし、ZABBIXプロキシはWebインターフェースを利用することができません。

単純に負荷を分散させたい、異なる拠点やネットワークを監視したい、という場合はプロキシの利用をお勧めします。

ダッシュボード機能

Webインターフェースにダッシュボード画面が追加されました。トリガーの状態のサマリや最新のイベント情報、ZABBIXサーバの状態などが表示されます。また、ユーザごとにグラフ、マップ、スクリーンのお気に入りを登録しておき、ショートカットを作成することができます。



ダイナミックスクリーン

同じテンプレートを利用しているホストごとに、1つのスクリーン設定を横展開することができます。たとえばホストごとにCPU、メモリ、ディスク、ネットワークといったリソースのグラフを作成したい場合、1.4ではホストごとに作成をする必要があったものが、ダイナミックスクリーンを利用することが1つの設定で済むようになります。

グラフをドラッグアンドドロップで拡大

グラフ上をマウスでドラッグアンドドロップすることで、指定した範囲を拡大することができます。ドリルダウンで分析する際にとても便利です。



円グラフ

下記のような円グラフを作成することができます。



SNMPの動的インデックスに対応

SNMPでプロセスの状態を監視するような場合、プロセスとOIDが一意に決まらないことがあります。そのようなSNMP監視でも対応することができるようになりました。

Webインターフェースの改善

Webインターフェース自体の速度が改善されているほか、メニューの構成や操作など、細かいところで色々と修正が入っています。機能自体はそれほど変わっていませんが、1.4より操作し易くなっていると思います。


その他、細かいところではいろいろ修正が入ってます。詳細はZABBIX-JPサイトの1.6のリリースノート翻訳も参考にしてください。また、1.6の新機能の詳細を紹介するセミナーを10/30 11:15〜12:00にOSC Tokyo/Fallで行います。ぜひご参加ください。

2009年10月10日土曜日

ZABBIX 1.6のRPMパッケージ作成中...

本家リリースからだいぶん経ってしまったのですが、ZABBIX 1.6のRPMパッケージを公開すべく作業を行っています。10/30〜31のOSC Tokyo/Fallでご紹介できるように間に合わせたいと思っています。

1.6系は1.6.4あたりまではバグが多いですし、今から最初まで遡る必要性もそれほどないので、ある程度安定してきた1.6.4以降からリリースを出す予定です。

本家では1.6のWebインターフェースはUTF-8 Readyだと言っているんですが、1.6系は日本語を含めたマルチバイトに完全に対応しきれていません。アイテムのキーやトリガーの条件式に日本語を使うことができない状態です。そのあたりも改善してリリースしようと思っています。