2007年3月25日日曜日

ZABBIXの第1回連載が終了

何とか書き終えました。4~5回の連載だった予定が結局7回になりました。だいたい2週間に1回のペースで記事を書いていたのですが、初めての執筆だったこともあり、ネタを1から起こしていたので思ったより大変でした。

どうなることやらと書き始めた記事でしたが、意外とアクセスがあったようです。近頃は色々なところで話題にのぼるため、監視・管理ツール自体がちょっとしたブームになっているのかもしれません。

タイトルに「第1回」と書いているとおり、第2回の連載も執筆予定です。ThinkITの編集者の方と話して、今度はZABBIXを含めたオープンソースの監視ツールの比較記事を書くことになりました。オープンソース限定ということで、nagios、BigBrother、Hinemos、 Cactiと、あと1つ何にしようか...と考えているところです。

次の連載は4月末~5月初めに第1回の記事が公開される予定です。

2007年3月15日木曜日

汎用Linux不要論

Red Hat Enterprise Linux 5のリリースを機に再燃する「汎用OS不要論」――Linuxディストリビューションの肥大化に批判の声という記事。

サーバー用OSであるにも関わらずインストールに1GB~2GBのディスクを要求されることもめずらしくなくなってきました。個人的にも、このところ肥大化の一途をたどるLinuxには違和感を覚えます。特にRedHat系Linuxは最小構成にしてもなお不要なものがインストールされてしまうため、私の場合はそれに嫌気がさして最小構成がシンプルなDebian系を使い始めたという経緯もあります。

本来、サーバー用途に使うときは不必要なものはインストールしないことがセキュリティの第一歩のはずですし、その方が動作も軽くなります。一昔前 (といっても4、5年前)は「動作が軽い」ことがLinuxの特徴だったはずなのですが、最近ではWindowsの方がよっぽど軽いのではと思うことがよくあります。

汎用にしておくことで、様々な用途に対応できるメリットもあるでしょうが、たとえばApacheを動かしたいだけなら、Apacheのバイナリ+カーネル+ドライバの構成でも100M以下で収まるはずです。インストーラを工夫するなりすれば、より利用するシステムに最適な構成を作ることは不可能ではないように思います。

アプライアンスと汎用OSの中間のような、可能な限り最小構成でシンプルなLinuxを作ってみても良いかもしれない、とここ2年ほど考えていたりします。すでに1FD Linuxのようなディストリビューションは多数存在しているわけで、それをどのようにして多様な環境に対応できるようにするか、というところが鍵でしょうね。

それにしても、最近はRedHatの批判をよく耳にします。これまでLinuxを牽引してきたRedHatですが、少しずつユーザーが離れているのではないかと感じています。今は独占といえるぐらいシェアを持っていますが、Ubuntuなど後発の人気ディストリビューションが出てきたこともあり、 Linuxディストリビューションの勢力図にも変化が出てきそうな気がしています。

2007年3月10日土曜日

若者はなぜ3年で辞めるのか?

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来
城 繁幸 光文社 (2006/09/15) 売り上げランキング: 996
おすすめ度の平均: 4.0
5 よく見てみ、もうレールなんてないよ 5 若者の言いたいことを代弁してくれた! 1 こんな本を出すな。怒りを覚えた

読みました。読んだのはずいぶん前になりますが、著者である城繁幸さんのインタビューを見て思い出しました。

3年で辞める若者に対してどのような対策を取るべきか、というような内容の話かと思って買ったところ、読んでみると旧来の体制から変われない日本社会への批判でした。(買ったときはあまりサブタイトルを見てませんでした)。

まず絶妙だなと思ったのがタイトルのつけ方。たとえば「年功序列が日本社会を崩壊させる」なんてタイトルをつけていたら、同じようなタイトルの他の書籍に埋もれていたかもしれませんし、旧来の体制を守る側のマネジメント層には買ってもらえなかったかもしれません。タイトル1つでもイメージが変わるものですね。

私自身も、最初に入社した会社を3年経たずに辞めた口です。今の日本社会に感じる閉塞感は企業や個人によって様々あるのでしょうが、結局のところ、インタビューの中のこの一言に尽きると思います。

成果主義と言いながら、成果主義が導入される以前に昇格した社員が、再度、成果主義によって評価され、それによって適正に降格するということがない。つまり、上がったもん勝ちの世界。その状況下で人件費を抑えようと思ったら、これはもう若手の昇給を抑えるしかないんです。

その結果、上司は何かと言い訳をして自分のイスを守り、部下は何かとダメ出しをされ評価されないという構図が生まれがちになるのではないかと思います。もちろん、自分のイスを守るような上司ばかりではないですが、企業自体にそういう雰囲気を感じることが多いように思います。

特に、段階の世代と呼ばれる30代中~後半の人数が非常に多いため、このまま10年、15年変わらなければ今の20代はどうなるのか。何も考えずにその中に浸かっていたら、気づいたときにはもう遅いかもしれません。

日本という大きな視点で見ると、おそらく変われない企業は淘汰されていくことになると思います。個人という小さな視点で見ると、これからの時代、自分の力を発揮できる場所を自分で見つけて行かなければ、損をするだけで終わってしまうと改めて思った一冊でした。