2007年3月10日土曜日

若者はなぜ3年で辞めるのか?

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来
城 繁幸 光文社 (2006/09/15) 売り上げランキング: 996
おすすめ度の平均: 4.0
5 よく見てみ、もうレールなんてないよ 5 若者の言いたいことを代弁してくれた! 1 こんな本を出すな。怒りを覚えた

読みました。読んだのはずいぶん前になりますが、著者である城繁幸さんのインタビューを見て思い出しました。

3年で辞める若者に対してどのような対策を取るべきか、というような内容の話かと思って買ったところ、読んでみると旧来の体制から変われない日本社会への批判でした。(買ったときはあまりサブタイトルを見てませんでした)。

まず絶妙だなと思ったのがタイトルのつけ方。たとえば「年功序列が日本社会を崩壊させる」なんてタイトルをつけていたら、同じようなタイトルの他の書籍に埋もれていたかもしれませんし、旧来の体制を守る側のマネジメント層には買ってもらえなかったかもしれません。タイトル1つでもイメージが変わるものですね。

私自身も、最初に入社した会社を3年経たずに辞めた口です。今の日本社会に感じる閉塞感は企業や個人によって様々あるのでしょうが、結局のところ、インタビューの中のこの一言に尽きると思います。

成果主義と言いながら、成果主義が導入される以前に昇格した社員が、再度、成果主義によって評価され、それによって適正に降格するということがない。つまり、上がったもん勝ちの世界。その状況下で人件費を抑えようと思ったら、これはもう若手の昇給を抑えるしかないんです。

その結果、上司は何かと言い訳をして自分のイスを守り、部下は何かとダメ出しをされ評価されないという構図が生まれがちになるのではないかと思います。もちろん、自分のイスを守るような上司ばかりではないですが、企業自体にそういう雰囲気を感じることが多いように思います。

特に、段階の世代と呼ばれる30代中~後半の人数が非常に多いため、このまま10年、15年変わらなければ今の20代はどうなるのか。何も考えずにその中に浸かっていたら、気づいたときにはもう遅いかもしれません。

日本という大きな視点で見ると、おそらく変われない企業は淘汰されていくことになると思います。個人という小さな視点で見ると、これからの時代、自分の力を発揮できる場所を自分で見つけて行かなければ、損をするだけで終わってしまうと改めて思った一冊でした。

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