予定よりもだいぶん遅くなってしまいましたが、Zabbix 3.0をリリースしました。
LTSリリースでは2013年11月のZabbix 2.2のリリースから2年3ヶ月ほど、ポイントリリースも含めると2014年9月の2.4のリリースから1年半ほど経ってのリリースになりました。
Zabbix 3.0ではWebインターフェースのデザインが一新されたほか、クラウドやリモート環境の監視でセキュアに通信が行える通信の暗号化機能や、既存の収集データから予測検知を行えるトリガー関数などの機能追加を行っています。
ほかにも障害通知に利用するメールサーバーのSMTP認証対応やアイテムの監視タイミングを任意に決めることができる機能、トレンドデータのAPI、XMLインポート/エクスポートに値のマッピング設定が含められるようになっているなど、これまでZabbixを利用されていた方にも魅力的な機能を追加しています。
新機能の詳細はZabbix社サイトのZabbix 3.0の新機能やドキュメントのWhat's new in Zabbix 3.0.0ページを参照してください。(Zabbix 3.0の新機能ページはただいま翻訳中です)
Zabbix 2.2 LTSを利用されている方はZabbix 2.4, 3.0の双方の新機能や機能改善が含まれることになるため、Zabbix 3.0へアップグレードするためには両方のメジャーバージョンのリリースノートを確認してください。
Zabbix 3.0のダウンロード
これまでと同じくZabbix 3.0は以下のページからソース、rpm/debパッケージ、検証用のアプライアンスという形でダウンロードできます。
検証用のアプライアンスはZabbix 3.0用からベースのOSがUbuntu 14.04になり、公式のdebパッケージをそのまま利用するように変更しています。
Zabbix 3.0系のイベントやセミナー
Zabbix 3.0についてもっと知りたい!という人はぜひ下記のイベントやセミナーに参加ください。
- 2016年2月26日(金) オープンソースカンファレンス 2016 Tokyo/SpringでZABBIX-JPコミュニティで「Zabbix 3.0でどう変わるか」のセミナーがあります
- 2016年3月10日(木) Zabbix社のWebセミナーを「Zabbix 3.0の新機能」にリニューアルします。そのあとも毎月1回開催してますので、お時間のあるときにぜひご参加ください。
- 2016年3月16日(水) Tech-Circleにて「Zabbix3.0リリース記念!世界最速? Zabbix3.0ハンズオン」を開催します。私も冒頭20分ほどZabbix 3.0の新機能についてお話しします。
Zabbix 3.0の注意点
細かな機能についてはサイトやドキュメントでも説明されているためここでは省略して、Zabbix 3.0の利用にあたりいくつかの注意点について説明しておきます。
WebインターフェースのPHPサポートが5.4以上に
Webインターフェースを動作させるためにはPHP 5.4以上が必要になります。Red Hat Enterprise Linux 5と6に含まれているのはPHP 5.3のため動作対象外になりました。RedHat系ディストリビュションではPHP 5.4以上が含まれるRHEL7やCentOS7以上でのみ動作させることができます。
この制限を含めて考えると現在Webインターフェースを動かすことができるディストリビューションは以下です。
- Debian 7 (Wheezy)
- Debian 8 (Jessie)
- Ubuntu 14.04 (Trusty)
- Red Hat Enteprise Linux / CentOS 7
SMTP認証のサポート
Zabbix 3.0では障害通知メール送信にSMTP認証を必要とするメールサーバーを利用することができるようになりました。この機能を利用するためにはlibcurlのバージョン7.20以上が必要です。RHEL6ではcurlのバージョンが7.19となるため動作しません。
Zabbix 3.0はRHEL6以下では動作しない?
Zabbix 3.0をインストールまたはアップデートしようとして、あれっ?となった人も多いのではと思います。
標準のRHEL5, 6ではZabbix 3.0の動作要件を満たしていないという点ではWebインターフェースは残念ながら動作しなくなります。RHSCLやサードパーティのリポジトリ(remiなど)を利用して動作させることは可能ですけれど、OS標準構成では動作しなくなるということから今のところZabbix社のリポジトリではZabbixサーバーとWebインターフェースを除くZabbixエージェント、Zabbixプロキシ、Java GatewayのみRPMパッケージを作成しています。
RedHat系のOSはライブラリやミドルウェアのバージョンが低いんですよね。現実問題としてRHEL6系をまだ利用しているユーザーさんもいることは理解しているので、RHEL7系にどうしてもバージョンアップができないというZabbix公式サポート加入ユーザーさん向けには暫定策としてRHEL6系でも利用できるように対策を検討中です。続報をお待ち下さい。
Zabbix 3.2
Zabbix社内ではすでに次のメジャーバージョンとなる3.2の新機能について議論が始まってます。Zabbix Japanからは3.2に限らず次のLTSをターゲットに4.0までに入れて欲しい機能をいくつかリクエストしていく予定にしています。
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